[システム開発] オブジェクト指向設計
Cloud システム開発
Published : 2020-11-24   Lastmod : 2020-11-24

オブジェクト指向設計の特徴とメリット・デメリットとは?

オブジェクト指向設計とは?

オブジェクト指向設計とは、対象(客体)をもとにして、ソフトウェアの設計を行う考え方のことを言います。オブジェクト(object)は、物体や対象、客体という意味があり、オブジェクト指向に基づいてソフトウェア開発を行う際に用いられる概念です。オブジェクト指向設計は対象となるものをすべて物として捉え、得ることのできた情報に基づいてソフトウェア設計を行っていくという考え方です。

オブジェクト指向設計を用いる際によく使われるのは、以下になります。

  • クラス
  • カプセル化
  • ポリモーフィズム
  • 継承

これらが、オブジェクト指向設計でよく使われる用語です。

まず、クラスですが、いわゆる設計図を指します。これは、オブジェクトを作るために必要です。対象となる物の概念を表現するのがクラスであり、システム実行時は、複数のオブジェクトがコンピュータ上で協調して相互作用し機能します。オブジェクトは、クラスに基づいて作られるのが特徴です。現実世界に存在しているものをいきなりソフトウェアにすることは非常に難易度が高いため、まずはすべてを物(モノ)として捉えなければなりません。

簡単な例を挙げると、自転車はペダル、タイヤ、ハンドル、ブレーキ、ライト、サドルなどが必要です。設計図で自転車を表すとき、これらのアイテムを1つずつ描き、自転車という形にしていくことになります。最終的には、テストを重ねてさまざまな部品が連動して1つの物体となり、正常に機能するのが自転車なのです。

そして、カプセル化ですが、これは物をわかりやすく形にし抽象化することを指します。クラスに基づいて作られた物はかなり難しい仕組みとなっているために、それらを全員の人が理解し利用することは困難です。そのため、カプセル化によって複雑な処理をまとめて抽象化することでわかりやすく捉えられるようにし、開発を容易に進めていけるようにします。

ポリモーフィズムは、オブジェクト指向、プログラミングの性質の1つであり、日本語では多様性という意味になります。ポリモーフィズムは、同じ名前のメソッドをいろいろなクラスで使用できるようにして、同じ方法で指示することができるにするのです。こうすることで、指示回数を減らすことができ、処理にかかる手間を省くことができるのです。

継承は、とあるクラスを別のクラスとしてまとめる仕組みのことになります。継承先のクラスのことをサブクラスと言い、継承元のクラスのことはスーパークラスと言います。スーパークラスからサブクラスに移す作業が継承です。ゲームをよくする人であれば、セーブデータをイメージするとわかりやすいかもしれません。ゲームをある程度進めた場合は、セーブをすることで、また次の日にプレイする際はセーブした場所から始めることができます。これにより、また最初から始めなくても済みます。ゲームを例にするとこれが継承になります。

オブジェクト指向設計のメリット

オブジェクト指向設計を活用するメリットとしては、下記が挙げられます。

  • 柔軟性に優れカスタマイズしやすい
  • 大規模のプロジェクトの際に運用しやすい
  • 認識の共有がしやすい

これらが、オブジェクト指向設計の主なメリットになります。

1つ目のメリット

まず1つ目のメリットですが、オブジェクト指向設計は柔軟性に非常に優れているために、カスタマイズがしやすいのです。オブジェクト指向設計を活用し開発を進める際、カスタマイズがしやすいことで、いろいろな試行錯誤をしながら開発ができるのがメリットになります。オブジェクト指向設計は仕様変更、再利用がしやすいために、書き換えが容易に行えて仕様変更に時間をかけずに済むのです。

2つ目のメリット

そして、2つ目のメリットですが、オブジェクト指向設計は大規模なプロジェクトのときに運用しやすいという点になります。オブジェクト指向設計は大規模なソフトウェア開発の際に利便性が高く、向いています。そのため、多人数で取りかかなければならないプロジェクトの場合だと、オブジェクト指向設計で開発を進めていくのが望ましいでしょう。

3つ目のメリット

3つ目のメリットは、認識の共有がしやすいことです。さまざまなパーツによって構成されているために、それらをすべて作業者が理解しながら作業を進めていかなければなりません。オブジェクト指向設計を用いることで、作業者同士で認識の共有がしやすくなるため、正確に開発を進行させられるのです。

特に大人数でのプロジェクトだと意思疎通、情報共有、認識共有が非常に重要となり、1人1人の理解度を高めていくことが大切です。プロジェクトの際はリーダーを決め、チームをうまく統括できるようにすることが重要となるでしょう。オブジェクト指向設計は仕組みが難しいのですが、しっかりと活用できるようになれば、非常に便利と言えます。

オブジェクト指向設計のデメリット

オブジェクト指向設計には、デメリットもいくつか存在します。主なデメリットは下記になります。

  • 仕組みが複雑で理解するのが難しい
  • 設計にかなりの時間がかかる
  • 開発のためのコストがかかる

これらが、オブジェクト指向設計のデメリットです。

1つ目のデメリット

まず、1つ目のデメリットですが、オブジェクト指向設計はかなり仕組みが複雑であるために、理解するのが難しいことです。そのこともあり、仕組みを理解しよう、習得しようという思いが強くなり、作業効率が悪くなり、プロジェクトの進行に支障が出てしまう可能性もあるでしょう。仕組みを理解して正しく活用するためには、かなりの時間がかかってしまうことも考えられるのがデメリットと言えます。

2つ目のデメリット

そして、2つ目のデメリットとして、オブジェクト指向設計は設計に時間がかかるということです。コードが相当長くなってしまったり、複雑化したりと、設計に非常に時間を要してしまうことも考えられます。そのため、場合によっては、他の仕事に影響が出てしまうこともあるでしょう。

3つ目のデメリット

3つ目のデメリットは、開発のためにコストがかかる点です。特に大規模なプロジェクトだと、ある程度のコストを投入しなければなりません。コストカットに力を入れているという場合、考えと逆行してしまうことになる可能性が高いでしょう。オブジェクト指向設計は複雑で理解するまでが大変なため、人件費が想定したより多くかかってしまうこともあるのです。

オブジェクト指向設計はメリットとデメリットがあるため、それぞれについてよく理解しておく必要があります。正しくオブジェクト指向設計を活用することで、開発においてとても役立ち、利便性を発揮します。対象となる物として形にするのがオブジェクト指向設計なので、仕組みを理解しなければ使いこなすのは非常に難しいでしょう。それでも、少しずつ理解できれば良いため、あまりオブジェクト指向設計に苦手意識を持つことはありません。

デメリットも少なからずあるオブジェクト指向設計ですが、そこまで重く考えず、緩やかにでも良いので理解度を上げていけるようにしてください。仕組みは複雑ですが、理解できるようになるとイメージしやすいため、さまざまな場面で役立つのがオブジェクト指向設計です。ソフトウェア開発で活用されるオブジェクト指向設計は、ソフトウェア開発の手法の1つとして、ますます重宝されるようになっています。もし、理解できないことがあったとしても、ゆっくりと知識を蓄え、次にそれを活かせるようにしましょう。

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