「ユニクロ」とても面白かった。 脳みそに論文や技術書を読む余力がなくなった時の読書用に購入している積ん読の一冊。
※リンクはアフィではないです。
それぞれの登場人物達の「起承転結」が綺麗な日本語で簡潔に描かれていて、一気に読んでしまった。 ただ、読み終わった後に、会社員時代のことを思い出して少し暗い気持ちになってしまった。
本という物語にする以上、1度挫折して、そこから成り上がって結果的に成功するという「起承転結」が必要になってくる。
ただ、現実に存在する90%以上の会社員は「起承」で終わる。もしくは、「起」すらない状態で定年を迎えるだろう。1度挫折したら、奇跡的な復活を遂げるよりも、そのままフェードアウトしてしまう確率の方が高い。
会社員時代の私のその一人で、どれだけ具体的で定量的な結果を残しても、何年も上司に認めてもらうことはできず、病んでいた時期もあった。結局、会社員であることに挫折し、独立した。会社員としては「起承」で挫折したわけだ。今は仕事が順調だが、そのことが未だにトラウマになっている。
「起承転結」を経験できる人生というのは、規模の大小関係なくそれだけですごいことだと思っている。逆に言うと、「起承転結」を経験した従業員の方々がこれほどいたからユニクロは現在の成功をおさめているとも思われる。
おそらくこの本に出てこないで、「起承」でユニクロを去って行った方々は登場人物の何倍もいると思う。なぜか、私はその方々の気持ちがどうだったのか想像してしまう。
つらつらと書いてしまったが、とても興味深く、勉強になる本だった。柳井さんや孫さんの偉大さは周知の通りで、このレベルの人たちの思考回路を少しでも読み取れたので満足。
個人的には、広島銀行との融資やIPOに関するやりとりの部分が印象的だった。数年後、自分自身が少しでも成長した後にまた読んでみたいと思う。