AIの発展

DeepSeekやDeepResearchなど、AIを活用したサービスが次々と登場している。

Twitter上では、AIによってシステム構築が全自動化され、システムエンジニアやソフトウェアエンジニアが不要になると主張する意見も見られる。

しかし、個人的にはシステム構築は単にコードを出力するだけではなく、要件定義、設計、テスト、運用など多くの工程が必要であり、AIがすべてをカバーするのは難しいと考えている。仮にAIが完璧にシステムを構築できたとしても、AIの出力に対する責任の所在という問題が残る。また、要件定義には組織の文化や人間関係といった、コンピュータには理解しがたい要素も含まれるため、AIだけで完結するのは現実的ではない。

さらに、システム構築には組織間の利害調整や、誰の意向を重視するかといった政治的な側面も絡んでくる。予算が大きくなればなるほど、最適な成果の配分という難題に直面することになる。

加えて、限られた人的リソース、予算、納期の中で何を最優先すべきかの判断も求められる。これは業種やタイミングによって大きく異なり、正解が一つに定まるものではない。

ビジネスは人と人とのつながりで成り立っている。少なくとも私が生きている間は、この原則が変わることはないだろう。

以上の理由から、AIがいかに優秀であっても、現段階でシステムエンジニアやソフトウェアエンジニアが完全に不要になる未来は見えてこない。ただし、その変化に備えておく必要はあると感じている。

今後の仕事の進め方

もしAIによって私のすべての仕事が奪われると仮定した場合、家族を養うためにどうすべきか…

結論としては、AIに私の弱点を補ってもらう形でAIを徹底的に活用して、自分なりの付加価値を生み出していくしかない。

例えば、私はフロントエンド開発が苦手で、システムをゼロから構築する際にはフロント部分を他者に依頼する可能性が高い。しかし、一応フロントエンドの開発経験はあり、システム構築の勘所も理解している。そのため、AIを活用してフロント部分を自動生成し、私が適宜修正を加える形で進めることができる。また、セキュリティなど妥協できない部分については、AIを使わずに手作業で構築する選択肢もある。

つまり、フロントエンドはAIの助けを借りながら実装し、バックエンドやデータベース設計、機械学習基盤についてはAIを活用しつつも、自ら設計・実装を行うことでバランスを取る。AIはコミュニケーションコストが低く、効率的に作業を進められるため、私の弱点を補いながら付加価値を生み出すことができる。

こう考えると、大規模な組織を持たず、身軽に仕事を進められる私のような立場の方が有利ではないかと思えてくる。例えば、月2〜3万円程度で私の弱点を補ってくれる優秀なAIアシスタントを活用できると仮定すると、非常にコストパフォーマンスが良い。また、このAIアシスタントは変動費であり、仕事がないときには解雇することも可能だ。

一方で、すでに大きな組織を構築してしまった場合、人件費などの固定費が経営上のリスクになりかねない。DeNAの南場さんは、「現在の事業の人員数を半分にし、残りの半分を新規事業に充てる」と発表したが、裏を返せば、現在の事業だけを考えると半分の人員は不要とも捉えられる。

サム・アルトマンは「プログラミング、数学、物理などの分野では、人間がコンピュータに勝ることはなくなる」と述べている。これは確かに一理あるかもしれない。しかし、人間にはAIができないことがある。その違いを見極め、AIを適切に活用できる人間こそが生き残るのではないか。

現時点では、AIに私の弱点を徹底的に補完させ、私一人、または少人数で付加価値を生み出す形で仕事を進めていくことが最適だと考えている。

まぁ、どうなるかはやってみないと分からないが、家族の生活を守るためには何でもやってお金を稼ぐしかない…