ベルンはなぜ豊かに感じるのか
イタリアでの国際会議の後、スイスのベルンに行った。
目的はベルンの旧市街を観光することと、アインシュタインハウスを訪れることだった。
ベルンはスイスの首都であり、スイスの中でも歴史的な街である。 ベルンの旧市街は、町全体が世界遺産にも登録されており、観光地としても有名である。
ベルンの街を歩いていると、なぜか豊かさを感じる。 ベルンの街は、歴史的な建物が多く残っており、街並みが美しい。 また、ベルンの街は、清潔感があり、街の人々も親切である。
日本は、観光立国などと政府が中心となって推進している一方、ベルンには観光客がかなり少ないように感じた。 街全体に余裕があり、時間がゆっくり流れているように感じた。 なぜこんなにも豊かに感じるのだろうかとふと考えた。
リーマンショック時、円は有事の際に買われる通貨として円高に苦しんでいた。それが今では有事だろうが平時だろうが、ドルに対してもユーロやスイスフランに対しても徐々に円安が進んでいる。結果的にインフレが進み、物価が上昇している。
ロシアの件などにより、資源高で世界全体でインフレが進んでいることは確かである。 スイスでのホテル代は 1 single bedroom で 2 泊で 6 万円、ホテルでの朝食が 4000 円、スーパーで 500ml の水が 400 円程度であった。日本人の感覚からすると、異常に感じる。為替は、スイス訪問時、1EUR = 170 円、1CHF = 185 円程度であった。 ちなみに、リーマンショックの円高時、1EUR = 110 円、1CHF = 85 円程度であった。ユーロについて言えば、その後のギリシャ危機により、90 円ぐらいまで下がった記憶がある。
スイスフランについては、関税の件などの影響もあり、全通貨に対して徐々にスイスフラン高が進んでいる。 ベルンの街が豊かに感じるのは、スイスフランが強い通貨であることも一因であると思う。 やはり通貨が安いとさまざまな面でデメリットがあると思われる。もちろん、輸出企業の業績が軒並みよいのは円安が起因しており、デメリットばかりではない。
私自身は、個人の資産や老後の年金として SP500 をドルベースで積み立ていることもあり、急激な円高は望んでいない。だが、今の円安はまずいのではないかと感じる。ただ、この円安は日本の今後の国力を反映したものであるような気もするので、なかなか円安是正は難しそうではあるが…